Original Investigation
November 7, 2022
Widening the Spectrum of Risk Factors, Comorbidities, and Prodromal Features of Parkinson Disease
Anette Schrag, MD, PhD 1; Jens Bohlken, MD 2; Lotte Dammertz, MD 3; et alStefan Teipel, MD, PhD 4,5; Wiebke Hermann, MD6; Manas K. Akmatov, PhD 3; Jörg Bätzing, MD 3; Jakob Holstiege, PhD3
著者名 所属記事情報
JAMA Neurol.2022年11月7日オンライン公開 doi:10.1001/jamaneurol.2022.3902
Key Points
Question 大規模な代表的日常診療データベースにおいて、パーキンソン病(PD)の診断に先行する危険因子、併存疾患、前駆症状は何か?
結果 発症したPD患者138 345人とマッチさせた対照者276 690人を対象としたこの症例対照研究では、PDのリスクの増加は、さまざまな危険因子、共存疾患、前駆症状、特に振戦、レストレスレッグス症候群、統合失調症と双極性障害、1型および2型糖尿病、てんかん、皮膚感覚障害、胃腸障害などの共存疾患、アルコール乱用や外傷性頭部外傷などの危険因子に関連していた。
意味 これらの関連は、PDの早期脳外病変の可能性、PDと共通の遺伝的リスク、薬剤曝露、直接的原因による危険因子、あるいはPDの病態形成に寄与する病態生理的関連因子を示している可能性がある。



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JAMA誌から、上記の報告が出ていました。
あくまでも、6年追跡して、パーキンソン病になった方とならなかった方の比較です。
図をみると、振戦があった方、便秘があった方、双極性障害があった方が、比較的パーキンソン病と診断されているように見えますけど、逆の命題は成り立ちません。
すなわち、振戦と便秘と双極性障害があったからと言って、パーキンソン病であるとは断定できないということです。そのことを検討するには、また違う研究をしないといけませんが、そういう方を拾っていくのは難しいです。
こういう結果があると、往々にして、
「振戦があるからパーキンソン病だ」と言われてしまいます。
確かに、振戦があったら、パーキンソン病かも?と思われることはあります。
しかし、パーキンソン病と確定されるまでには、さらに検査する必要があります。
同様に、うつや双極性障害がパーキンソン病に比較的多めに発症することを受けて、「あなたはうつでしょう、双極性障害でしょう」に確定してしまう方は、多くいらっしゃいます。
逆に、じゃあ、双極性障害であるとか、うつであるとかの診断は・・・?というと、なかなか謎なのです。
その人のおかれている社会的環境から、そういう状況になってしまっていることが多いと思いますが、
どうも、そのような環境をひっくるめて、短絡的に判断してしまう気がしてなりません。
●それでは、その環境を、まず変えることが第一の治療だと思うのですよ。
それなのに、環境を変えずして、すぐ薬剤治療をしてしまうことに疑問があるのです。
薬剤による環境適応を目指しているのか? それなら、その環境をしっかりと把握するべきと思っています。
とはいえ、環境を知るには、プライバシーの保護の問題がありますしね、、、
ジレンマ、トリレンマ、、テトラレンマ、、
●また、原発的にうつ、双極性障害と診断された方へのスティグマも生んでしまい、わたしは、どうしたらいいのか、わからなくなっています。
●さらに、predromal(前駆症状)とは、必要なのか。パーキンソン病になった方に伺いました。
「10年前に、パーキンソン病になると知っていたかったか?」
だいたいは、知ってても、どうしようもないしね。。。。知りたくはないね。というお答えでした。
今ご健康な方にもお伺いしたい。
わたしは、「解決策があるのなら、診断してもいいと思いますけど、まだないですしね。全員がパーキンソン病になるわけではなく、数パーセントとかそういう、マーカーなので、それに振り回されて生きるのもうれしいことなのでしょうか?」とお答えしたことがありました.私見ですけど。