指定難病における臨床調査個人票について

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この季節になると、「指定難病」では、臨床調査個人票の提出と医療費助成の申請があり、

医師の方々や患者も「めんどうくさいなぁ」と感じるものと思います。

しかし、この臨床調査個人票がどういう目的で必要なのかの説明を見つけることは難しいです。

ここからは、私見です。

●臨床調査個人票は、古くからつづいていて、患者数の把握のために行っている。基礎データを記録し続ける調査

●「指定」については、中等度以上の症状しか扱わない

● 医療費助成等は、この調査票を書いて提出してくれた人に対してのお礼として支給される。

指定難病について簡単に説明されている資料はこちらです。

Microsoft PowerPoint – 資料3 指定難病の要件 (mhlw.go.jp)

指定難病の要件は

 (1) 「発病の機構が明らかでない」こと

 (2) 「治療方法が確立していない」こと

 (3) 「長期の療養を必要とする」こと

 (4) 「患者数が本邦において一定の人数に達しないこと」

 (5) 「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていること」

  

この5点です。

このままでいいのかしら?

1.時代にマッチしているか?

2.欲しい情報が得られているか?

この2点に絞って私見を述べます。

1.時代にマッチしているか?

 Digital時代に、いちいち紙ベースで書かなくてはならない書類と、煩雑な手続きが困る。

多くの患者が指摘します。

ただ、これを提出しないと、医療助成が受けられない。

 これがインセンティブなのです。

 面倒くさいのが嫌なら医療助成は受けなくていいのよ、 というのが本来のスタンスなんだと思います。

それに、臨床調査個人票を書いてくださるのは医師です。 医師は、この個人票を書いても、助成金をもらえるわけではありません。

それに対して、患者側が 文句を言ってていいのでしょうか?

2.欲しい情報が得られているか?

患者数や、ステージごとの人数の把握は必要です。

 国がどれだけ医療費がかかるかを算出するためにです。

 パーキンソン病の場合、患者がこの申請をしないとどうなるかをシミュレートしてみました。

  🌎 医療費が特にかかりそうな患者の人数が正確に把握できなくなる

    これに対する意見には、以下のようなことがあるでしょうか。

⇒ マイナカードで医療機関におけるデータを紐づければ、クリアできるのでは?

その通りですよね。じゃあ、報告の手間は省けるから、助成金というインセンティブはなくなるかもしれない?

⇒ パーキンソン病は「指定難病」とされる患者数12万人を大幅に超えているので、申請しないことにより、患者数が低く見積もられるから、指定難病から外れなくなる?

申請しない人は、助成してもらえないですけど。

    

🌎 パーキンソン病は治療から予防へ

     先日行われた第4回Japan Parkinson Congressにおいて、わたくしたちのWoman Living With PD PJメンバーであるHさん(Hさんのご了承が取れたら、お名前出そうと思います)が、フロアに立って述べられたこと。

「ここまで、情報が蓄積してきて、パーキンソン病は治療と同様、予防や進行抑制が重要だとわかってきたんです。それなのに、なんで医療は、悪くなってからなんとかしようとするんですか? そうならないように、予防しようということを、なんでしないんですか?

 患者も、進行しないように頑張っているんです。

 そのことを、ちゃんとガイドラインに書いてほしいです」

誰にいうべきなのかは、わたしも明確に答えを持ってはいませんけど、

わたしは、考え方には賛成寄りです。

ガイドラインに書けるのかはこれからの検討ですが、私たち患者が今後、これから医療の発展に協力できる部分です。

それも、病気が進行してからではなくて、進行しないうちにどうするのか、どう評価するのかを患者が自ら考えていくことだと思っています。

これらを踏まえ、わたしたちは、以下を提案したいです。

最低限、

● 臨床調査個人票に間違いがないかを患者自らが確認する。

そして、もう少し突っ込んだ提案ですが

● Prodromalの患者(診断される前の患者)のデータの収集方法を考える。

診断されてから 後ろ向きに思い出して記載するしかないですが。。。

また、自分が把握できない状態で、パーキンソン病ですと診断されることについて、いかにケアするのか?という問題はありますけれども。(このことに対する対策案はまた改めて)

● 発症初期の患者のデータの収集方法を考える。

これらは、予防、進展抑制に重要です。

これらのデータを収集するシステムの構築も、患者自身が継続して蓄積できるようにするべきと思っています。

ですから、そのような情報を強制ではなく共有化できるような患者コミュニティーが大事なんですよね。

わたしたちは、患者自らのデータマネジメントを加速するPwPでありたいと思います。

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